アブナイ三角関係


「本気で狙ってんの?」

「もちろん!」

芽依ちゃんの背中を少しずつ押しながら激しく頷く。


「だったらやっぱり女子として最初に思うのは、可愛く見られたいとかじゃないの?」


可愛く…か。
確かに見た目って大事だよね。

秋斗くんはよく可愛いと言うけど、それは見た目に対してではないからなぁ。

それに私にだけ言ってくれているわけではないということを昨日痛感した。



「でも可愛くなりたいと思っても実際なれるのは元がいい人だけでしょ?化粧品つけまくったところで元は変わらないし」

「…美桜って、たまに結構エグいこと言うよね」

え。


「はぁ…それでも可愛いと思われたいのが恋する女の子なの。それに最近のメイクは詐欺レベルで顔変えれるから問題ない。
私だって現場の日は2時間かけて顔作るわよ。推しを拝むにあたって、ある程度の美意識は持ち合わせてないと他のオタクにマウント取れないでしょ?」

現場…マウント…

あ、芽依ちゃんはオタクです。
アイドルの追っかけです。


「なーるほど。美意識ね」

「ちょっ美桜!痛い痛い痛い!」

「あ、ごめん」

背中押しすぎた。

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