アブナイ三角関係
「……そう、か」
秋斗くんが力無く椅子に座った。
「…あーあ…ちょっと遅かったな俺」
え?
「自覚したのが遅すぎた……もっと早い段階で認めてれば……いや…そんなもしもの話、なんの意味もないか」
眉を下げて笑った。
「俺の何がダメだった?」
「……何もダメじゃないよ。ただ…」
「…ただ、あいつが俺よりいい奴だったってだけか」
…
不思議な気分だ。
私が秋斗くんを振る日が来るなんて思いもしなかった。
人生何があるかわからないものだ。
「ありがとう秋斗くん。私を好きになってくれて」
「…こちらこそありがとう佐倉。俺を好きになってくれて」
私たち、お互いがお互いに片想いになっちゃったね。
人の気持ちってとても不思議だね。