アブナイ三角関係



「で?佐倉」



「行かなくていいの?」

「え?」


秋斗くんが呆れたような顔をした。


「行くって?」

「あいつ帰ってるけど?」


秋斗くんが親指で窓の外を指差す。


「!?」

私は思わず窓にへばりついて外を見る。



なっ!

窓の外、校庭を横切って門に向かう1人の影。


またあとでって言ったのに!!
もう!



「行ってこいよ」

秋斗くんが切なく笑う。


「……秋斗くん」


「俺はいい奴じゃないから頑張れなんて言わないけど。あわよくば、けちょんけちょんにフラれて戻ってこいとも思ってるけど」

ええ…


「まあ…あいつはそんなこと絶対しないから。さっさと行ってこい」

「…うん」



大きく振り返って教室の出口へ向かう。


「秋斗くん!」

「ん」


「また明日!」


手を上げて教室を出た。



「……明日は土曜日だよ…馬鹿佐倉」

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