アブナイ三角関係



「正直、萩原は越えられないと思ってた」

不意に冬紀くんがそんなことを言った。


「俺を選んでくれてありがとう」


……


「私も秋斗くんへの想いが簡単に消えるとは思えなかった。でも、それでも私をあまりにも一直線に想ってくれる人がいたから…ストンと恋に落ちたんだよ」

目の前の好きな人を見上げて笑った。



本能だって言ったでしょ。

人の気持ちって単純で、それでいて複雑な不思議なものだから
正解も不正解もないんだよ。


確かに私は秋斗くんが好きだった。

でもそれは、今のあなたへの好意には勝らなかった。


あなたは私の真っ直ぐな恋心を変えてしまったんだよ。

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