アブナイ三角関係
帰り道。
最後の放課後。
私たちは帰る方向が違うんだけど、冬紀がついてきてくれるというので少し遠回りしてデートすることにした。
「卒業かー」
不意にボソリと冬紀が呟いた。
「嫌なの?」
「だって大学違うだろ?なかなか会えなくなる」
「大丈夫だよ。通う学校が違ったって私たち変わらないでしょ」
「まあね。でも寂しいのは寂しい」
ふふ。
繋がっていた手がより強く握られる。
「私も寂しい」
思わずそんな本音をこぼす。
と、冬紀が足を止めたのでぐんと引っ張られて私も止まる。
「ちょっと急に止まんないでよ」
「珍しい…美桜がデレるなんて」
「別にデレたわけじゃないけど…寂しくないわけないでしょ。大好きなんだから」
「…そうだね」
ちょっとだけ周りを確認した私は思い切って冬紀の腕に自分の腕を絡めた。
「美桜サン!?」
「いいでしょ!最後の放課後デート!」
「くぅ〜罪な女だぜ」
「ぐへへー」