アブナイ三角関係
てってれー!
球技大会当日!
イベントのある日ってなんだか朝からウキウキするんだよね。
私が出場するのはバレーボール!
実は中学の頃バレー部だった私は、球技大会選抜メンバーに選ばれている!
期待に応えねば!
一回くらいは勝つ!
気合い入れてこーっ!
ウキウキしながら今日は髪の毛をポニーテールにする。
はい可愛い!私可愛い!
芽依ちゃんに言われた通り秋斗くんに可愛いって言ってもらうため、今日は可愛くしていく!
朝に滅法弱い私でもそうとなれば話は別!
「美桜ー?いつまで洗面所にこもってるの?早くしなさーい」
マイマザーの声。
母、父、そして私の3人で構成される佐倉家。
そんな3人家族が住む家の洗面所は小さめなのであまり長くこもっていられらない。
限られた時間の中でせっせこ磨いた今日の私!
うん…え、可愛い。
めっちゃ可愛いよ!今日の私!
ナチュラルなメイクをして、いつもよりピンク寄りのリップをつける。
いつもはストレートの髪を、今日はゆるく巻いてポニーテールに馴染ませる。
スカートもなるべく上にあげて短めにする。
うん、良きよ。
かわいいよ!
こいつぁきっと秋斗くんも可愛いって思ってくれる!
洗面所で鏡の自分に向かってウィンクする。
「え、何をやってらっしゃるの?」
あ。
鏡越しに洗面所をのぞいていた父親と目が合う。
「鏡にこの世で一番美しいのは誰か聞いてた」
「誰だった?」
「あ⭐︎た⭐︎すぃ」
「いや松田星子一択だろ。その鏡壊れてるよ」