アブナイ三角関係


「あ、そうだ佐倉…」

「佐倉さんいるー?」

へ?

秋斗くんの言葉にかぶさって廊下から誰かに名前を呼ばれた。


「美桜ちゃーん!お呼び出しだよー!」

クラスメイトに手招きされる。


「ザッキーじゃーん!」
「よお冬紀!」

あら?霜崎くん?
なんだろ。委員会のことかな。


あ、そういえば秋斗くん何か言いかけて…

「俺は大丈夫だから行って来なよ」

秋斗くんを振り返ると心を読んだのか流れるようにそう言った。

「う、うん!」


もー!
せっかく秋斗くんと話してたのに!

邪魔しないでよぉ!



プンスカしながら廊下に出る。


「何用ですか?キモザキくん」

「シモザキね?悪意あるでしょそれ」

はいはい、シモザキシモザキ。


「バスケの決勝の審判俺らになったから」

え"
決勝戦!?
なんで!三年生じゃないの?

それ絶対先輩達のガチバトルじゃん!
やだ怖いー!


「三年の委員は最後の大会だからみんなで見るんだってさ」

えー

「2年の体育委員にバスケ部いないし、断れず引き受けた結果、俺らとバスケ部の顧問になった」


バスケ部の顧問ってあのゴリラみたいな人?

バスケ部のゴリラ尾佐奈があのゴリラ顧問って言うから相当ゴリラなんだと思われる、その顧問?


「ということでよろしくね」

霜崎くんがバチコンとウィンクをかます。

「えー!」


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