アブナイ三角関係


「あ、おかえり佐倉」

「ただいま…」

「どうしたの」

教室に戻るなりブルーになっている私を見て秋斗くんが首を傾げる。


「バスケの決勝戦の審判になっちゃった」

「え、佐倉が?」

「うん…霜崎くんと一緒に」

「うわーそれは怖いね」

そうなのよ。
去年の球技大会見てるからわかるけど。


「決勝戦って大体三年同士のガチバトルだから超怖いんだよね」

ブチギレられたらどうしよう。
去年めっちゃ怖かったもん。

「あー憂鬱だよ」



「それ以外はバスケの審判しないの?」

「バスケは決勝戦だけであとはバレーと卓球メインでやるって感じ」

「大変だね」

うーん。


「だから自分のクラスの試合もあんまり見れないんだよね」

秋斗くんのバスケ見たかったのに…


「あ、そうなの?見れないんだ」

「見たかったなぁ」

「…決勝ねぇ」



秋斗くんの声が少し低くなった。


「俺は佐倉のバレー見に行くよ」



「ほんと!?」

「うん」


おお!

「私頑張るね!!」

秋斗くんにいいところを見せよう!


ガッツポーズをして笑って見せた。

< 36 / 271 >

この作品をシェア

pagetop