アブナイ三角関係


少しプロローグが長引きましたが

佐倉美桜(サクラミオ)
すごい春っぽいこれが私の名前。


予鈴のチャイムが鳴り終わると同時に、我が教室2年1組の扉を開けた。


既に着席していたクラスメイト達の痛い視線。
そして呆れた先生のため息。

「ギリギリセーフ…ですよね!」

息切れしたままそう尋ねる。

「はぁ…佐倉…残念ながらセーフだ」

うしゃあ!
はっはー!叱れなくて残念だったな担任!

「毎度毎度…もっと余裕持って来い」

映画のせいです。
極悪非道のえぐいカニバリストのせいです。


クラスメイトに笑われながら窓際から二列目一番後ろの自分の席へと向かう。



「おはよう佐倉」

「!」


と窓際一番後ろから優しい低音ボイスが耳を撫でる。

もしここが二次元だったら…
ピンク色のそよ風が吹いているスローモーションのシーン。


隣の席で
クラスメイトにつられてクスッと笑いながら
私の名前を呼ぶ人。


「秋斗くん」

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