アブナイ三角関係


プピィィーーッ!


うるさっ

このボタン押したらホイッスルみたいな音鳴るやつ無駄に音量でかくない?
自分で押すたびにビビるんだけど…



と、そんなことより

球技大会は無事に始まった。

一試合目の審判が終わったので次は我々の試合である。

体育館へ移動すると既に我がチームは待機している。

秋斗くん含めた同クラ男子や芽依ちゃん含めた卓球組も見に集まってきた。


「頑張ってね佐倉さん」

霜崎くんが体育館まで着いてきてくれた。

「超頑張る!」

気合を入れてコートに向かう。



審判用のゼッケンを脱いでクラスの色のものに変える。

「美桜ー!頑張れー!」

「芽依ちゃーん!」

観戦席の芽依ちゃんに手を振る。


「頑張れーさくらー」



男子軍の前を通り過ぎた時
雑音に紛れて確かに好きな人の声が呼ぶ自分の名前を聞いた。

思わず自らのポニーテールで自らの顔面を叩く勢いで振り返る。


バチっと目が合うのはやっぱり秋斗くん。


『ファイト』


その口がそう動いた。

っ〜〜!
あ〜もおおお!!


「頑張る!!」


嬉しくなって全力の笑顔でそう返した。
秋斗くんの目がちょっと大きくなり、そのあとふっと笑った。


よっしゃあ!

佐倉美桜!

がんばりまあす!!

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