アブナイ三角関係


相手チームは何人かバレー部がいる同学年のクラス。

一筋縄では行かなさそうだ。
ごくりと生唾を飲み込んで構える。


「サーブくるよ!」

クラスメイトが言った。


よし…集中!
頑張れ佐倉美桜!



ーーーー



「ナイスー!」
「佐倉さんナイス!!」

うしゃあ!


試合は予想よりも順調に進む。

サーブさえ取れれば攻撃が効くぜ!


体育で練習してた時より断然体力を使う本試合。
自分のこめかみから首へと汗が流れる。

バチバチに決めてきたポニーテールはだいぶ崩れてしまったがそんなこと気にしない。

目にかかる前髪をかき上げれば汗でいい感じにオールバックになる。


「美桜ー!かっこいいよー!」
「頑張れー!」

芽依ちゃん達の応援の声。

くぅー!燃えるぜぇ!



点数は同点。
時間は残りわずか。

なんとかここいらで取りたいところですが…


「サーブくるよ!」

相手チームのバレー部員によるガチサーブ。

パン!と弾ける音と同時にネットを超えるボール。
バレー部の子が滑り込んでなんとか上げる。


「ナイスー!」

セッターの子が飛んだボールの位置を調整する。

おっ
これはもしや!


「美桜ちゃん!」

私の頭上に上がるボール。

「はい!」


視界で確実にボールを捉え、踏み込んで…ジャンプ!

かーらーのー!サクラアターッック!!


バーン!

となかなかにいい音が鳴り響き、向こうのコートにボールが一直線で刺さった。


プピィィーーッ!!

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