アブナイ三角関係
萩原秋斗(ハギワラアキト)
すごい秋っぽいこれが彼の名前。
窓から差す、雲を通した淡い太陽の光でさえ芸術的に彼を引き立たせる。
これは誰が見ても満場一致で綺麗だと言うだろう。
少し深い茶色をした癖のないサラサラの髪。
女子に負けないくらい白い綺麗な肌。
大きくて、それでいて切長でクールな目元。
神様がだーいぶ凝って創り上げたのであろう大傑作。
いわゆるイケメンというやつだ。
「佐倉?」
はっ!
分析に夢中になって呆然と立ち尽くしていた私を心配そうに見る秋斗くん。
「ハッはい!おはよう!秋斗くん!」
裏返った声。
秋斗くんはクスリと笑って首を少し傾げた。
「ふふ、今日も元気だね」
キュゥゥっと胸が締め付けられる感覚。
血の巡りが加速する。
頬が無意識に熱を持つ。
こうなる原因である感情の名前を、流石の私も知っている。