アブナイ三角関係


「秋斗!そのまま行け!」

「わかってる!」


秋斗くんがドリブルしながら三年生をかわしていく。
そして綺麗なフォームでボールを投げる。

がこん!と音が鳴りスリーポイントシュートが決まった。


ビーッ!

わあっと歓声が上がる。


三点だ!
今度は私たちのクラスに得点を入れる。

そしてコート内に視線を戻すとやっぱり秋斗くんと目があって
ニヤッと笑った彼は服の胸のところで汗を拭いた。



か、か、かっこよすぎない?
びっくりなんだけど?

人間ってあそこまでかっこよくなれるものなの?

そんなこと義務教育で習ってないんだけども?


声を大にして秋斗くんに愛を叫びたいところをグッと堪え、得点版の枠を強く握った。


< 53 / 271 >

この作品をシェア

pagetop