アブナイ三角関係



試合も後半に突入して、体育館内の盛り上がりは増す。

それもそのはず大接戦なのだ。

三年生が14点
二年生は12点
ちなみにこのうちの8点を秋斗くんが決めている


ドキドキしながら得点板を何度も見る。

眺めることしかできないなんてぇぇ泣


「がんばれえー!」
「行け行けー!!」

応援の大合戦。
目の前で繰り広げられるガチバトル。



夢中になりすぎてぼぅっとしていたのだ…


先輩がコートギリギリのところでカットしたボールが、パァン!と音を立ててコート外に飛び出た。

そのボールが大きく弧を描く。

その先に自分がいることに気づいたのは少し遅れてからだった。


「佐倉!!」


秋斗くんの叫び声。

都合よくスローモーションに見えるボールが近づいてくる。


やばい…

とにかく避けようと身を引いた。

< 54 / 271 >

この作品をシェア

pagetop