アブナイ三角関係


大股で去っていく霜崎くんの背中を見送って秋斗くんに視線を戻す。


「秋斗くんも怪我したの?」

保健室に用事って言ってたけど

「いや別に」

へ?


思わず見上げると、流し目で少しだけ微笑んでいた秋斗くんと目が合った。

ドキッと心臓が鳴く。


「行こうか」

ま、またしても秋斗くんがわからない。



保健室に向かう廊下。


「あ!秋斗くん!試合すごかったよ!」

とにかく今日の感想を伝えたくて、まだおさまらない興奮状態でそう言う。


「ギリギリだったけどね」

「でも2年生が優勝なんてすごいよ!」

「あはは、多分明日筋肉痛だと思う」

あんなごつい三年生相手に戦えば大変だよね。


「かっこよかった?」



秋斗くんからそんなことを聞かれるとは思わず
その質問にビクッと肩を揺らす。

秋斗くんが相変わらず優しい表情で私を見ている。


ドキドキしながら丁寧に言葉を紡ぐ。


「め、めちゃくちゃかっこよかった」

柄にもなく照れてしまって顔を逸らす。

「ふふ、それはよかった」



…かっこよかったって…言えた…
言えたっ!

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