アブナイ三角関係


萩原秋斗は学校の人気者。


それは言わずもがな彼を見ていただければ猿でもわかることだ。

整った顔立ちと抜群のスタイル。
そしてこんなボサボサ頭の私にも笑いかけてくれる優しい紳士。

そう!紳士!This is SHINSHI!



私はそんな秋斗くんと小学校が一緒だった。

中学校は別々だったが高校で再会。


小学校の頃は話すことはあったけど特別仲が良かったわけでもなかった。

でも高校一、二年と同じクラスになり、一年の時はたまに話すくらいだったけど
今に至っては隣の席ということもあり、このようにナチュラル(?)な挨拶をかませる仲になった。


誰にでも優しく、ノリも良く、一緒にいて楽しい。
まるで欠点の見当たらない、男女関係なくみんなから好かれるタイプの人間。



そして私は…


「佐倉、頭に桜の花ついてるよ」

「えっ嘘!」

「取ってあげるよ」



「いっいい!鏡持ってるから!」

「そう?」


それ以上近づかれると、ドンドコ祭りだわっしょい状態の心臓の音がバレてしまう。



そうです。

私は萩原秋斗くんに恋をしています。

好きなんですとても(倒置法)



きっかけはこれと言って大きなものはない。


だけど秋斗くんの優しさには毎度胸打たれるし、話すとすごく楽しいし

笑ってくれると控えめに言って心臓ダイナマイトだし

毎朝学校に来た時に隣にこの人がいると嬉しくなる。



青春したい恋したいと言っても、好きな人は自ら作るものではない。

気がついたら始まっているもの、抜け出せない沼のようなもの。

世間はそれを恋と呼ぶのでしょう!


私の掲げた青春目標、恋人を作る!というのは

言うなれば、今現在の片想いを実らせたいというピュアピュアな願いなのだ!

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