アブナイ三角関係
そうだよ!
連絡先聞くくらい別に変じゃないよね!
友達として連絡手段が欲しいだけって捉えられるよね。
好きな人の連絡先…
需要しかない!
よし!決定!
「この勝負に勝つ!そして連絡先ゲット!そして目指すは!さらなる距離の縮小!」
佐倉美桜!
頑張りまっす!
フンスと鼻を鳴らす私を冷めた目で見てくる霜崎くん。
「勝負ねぇ…向こうは何を願うつもりなんだろうな」
へ?
「持ちかけたのは向こうなんだろ?ってことは萩原には佐倉さんに聞いて欲しいお願いが既にあるんじゃないの?」
…た、確かに。
え、なんだろ。
そう言われると気になる。
「萩原のお願いか…」
霜崎くんが意味ありげな視線を私に向ける。
「…良い予感はしないな」
どういうこと?
「…教科は?」
えと
「数学」
2人ともあまり得意ではない科目をあえて選択!
その方が成績的にも助かるからね。
「おっけ、数学ね」
?
「…佐倉さん」
ん?
生徒玄関の手前。
霜崎くんが足を止めて私を見ずに呟いた。
「なに?」
「その勝負、絶対勝てよ」
「え?」
霜崎くんはいつもみたいにふざけることなく、なんだかちょっと不機嫌なままスタコラと行ってしまった。