アブナイ三角関係


中間テストまでそんなに時間はない。

先生方が作るテストは授業の内容さえ復習しておけばそんなに難易度は高くない。

あとは応用問題やひっかけ問題の対策をとっておけばそれなりの点数は取れる。


しかし!今回は“それなり”程度ではいけない!

なぜなら勝負がかかっているから!
そしてその勝負相手が成績優秀な秋斗くんだから!



教室に着くなり熱を入れてノートと向き合う。

数学は単元によっては苦戦する科目だ。


中間となればそんなに範囲は広くないが、それはつまり狭い範囲で100点分の問題が出題されるということ。

よってかなりハイレベルの応用問題が入ってくる可能性が高い。

そして応用問題は配点が高い!
重点を置くべきはここだ!


うおおおお!
サイン!コサイン!タンジェントォォ!


「精が出るねー」



隣の席に座った想い人がクスリと笑う。

「おはよう秋斗くん!そりゃそうよ!勝負かかってるから!」


いつもは話しかけられるだけで心臓がドンドコ祭りだわっしょいを始めるが
今の私は脅威の集中力により学の境地に達しているのだ。


うおおおお!
サイン!コサイン!タンジェントォォ!


「俺も負けてられないな」

秋斗くんも、うしっと気合を入れてノートを見始めた。



絶対勝ぁぁつ!


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