アブナイ三角関係


そして迎えた…
テスト返却!!


「じゃあ数学のテストを返すぞー!30点未満は赤点だ。夏休みは楽しい楽しい補習があるぞー」

チラリと芽依ちゃんを見るとマナーモードかな?ってくらいバイブレーションしている。

ちょっとテストの難易度高かったもんね…



「番号順に取りに来い」

ゾロゾロとテストを受け取っては、落胆するもの、安堵するもの。


「次ー佐倉ー」


きっきた!

ちょっと緊張しながら前に出る。


「…佐倉」

私のテストを持った先生がチラリと私を見る。

な、なんだ。

「さすがだな」

にっこりと笑って満足そうに私にテストを渡した。

「ど、どうも」


点数は見ない。
あとで秋斗くんと一緒に見るからまだ見ない。

でも先生のコメント的に…多分それなりの点数は取れたのではないだろうか。

だがしかしおかし、点数を取ることがゴールではない。
あの萩原秋斗を越えなければ意味がない。



緊張したまま席に戻る。

「点数見ないの?」

「あ、あとで見る」

秋斗くんがクスリと笑って席を立った。


「次ー萩原ー」

ドキドキ…

「さすがだな」


同じこと言われてる!



平然と戻ってきた秋斗くん。

「で、では…」

「うん。いざ勝負だね」

なぜそんなに落ち着いているんだ。
こちとら冷や汗まで出てきたんだが。


「いくよ?」
「せーのっ!」

< 76 / 271 >

この作品をシェア

pagetop