アブナイ三角関係


「…いやなんか色々話聞いてたらムカついてきてさ」



「もしかしてこれってそういうことかなって思ったけど、認めたくないんだよねーなんとなく」

ん?

「だって全然タイプじゃないし、俺なら女の子選び放題なのになんでよりによってこの人かなーとも思ったんだけど」

んー?

「でも気になるは気になるし、なんでか数学ばっか捗るし、今朝から気が気でなかったし、女の子からの誘い断ってでもここで待ってようと思ったし、この俺が連絡先如きにこんなに頑張る必要ないはずなのにさー」

んーー?

「まあだからもしかしたらそういうことかなぁと…あ、でもまだ認めてはないからね。あくまでも」


……

早口でそう捲し立てた霜崎くん。


まっっったく理解できない。
何一つわからぬ。

いや、これは私の理解力の問題ではなく
こやつの伝達力の無さが問題だ。



「要約して」

「だからつまり、俺が数学のテスト学年一位ってこと」

え?そんな話だった?


というか…

「霜崎くん一位なの!?」

「ほら」


霜崎くんがピラリと答案用紙を出す。

霜崎冬紀 95点

は、花丸付きだ…


「勉強できるの…?」

「いや今回だけ。むしろ数学に力入れすぎて英語と国語40点だった」

わーお。
ピタゴラスもびっくりの偏りっぷり。

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