アブナイ三角関係



「あーあなたが佐倉美桜ちゃーん?」

委員会終了後
下駄箱で聞き慣れない声に呼ばれた。


「え?」

「どーもー」


現れたのはショートカットで目がくりくりした可愛らしい女の子。

でも知らない顔だ。
会ったこと…ないよね?


「そ、そうですけど…」

「秋斗から聞いたよー花火大会一緒に来てくれるんだって?」

…へ?
あ、秋斗?
今秋斗って言った?



あ…もしかして

「秋斗くんのお友達の…」

最近恋人ができたっていう…

「そーそー初めましてぇ浜辺千夏でーす!」



浜辺千夏(ハマベチナツ)
すごい夏っぽいそれが彼女の名前。


秋斗くんにダブルデート形式のお付きを頼んだご本人?

ショートカットで目が大きくて私より少し身長が低い。高くて可愛い声と色付きリップの塗られた鮮やかな唇。

すごく可愛らしい明るいお方。



「まじありがとー私のわがままに付き合ってくれて」

「いっいえ」

お友達って…女の子だったんだ。
勝手に男の人だと思ってた。


「秋斗とは中学が一緒で仲良いの」

中学校…
私の知らない秋斗くん。

「困ってるんでしょって助けてくれたの。優しいよねー秋斗」

そ、そうなんだ。

「今回も私のために偽のダブルデートまでしてくれるなんて面倒見良すぎだよね〜」

は、はあ…


浜辺さんはクスクス笑いながらポケットから手鏡を出し、前髪を直している。

ぎゃ、ギャルい…

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