アブナイ三角関係


「あ、もういた」



「あー祐樹くーん」




浴衣女子2人に背後から声をかけてきたのは背が高くスラッとした男性。
浜辺さんの彼氏さんかな。

ギャルちっくな浜辺さんの彼氏さんだから、かなりのウェイ系が来ると思ってたいたが…。
決してそんなことない落ち着いた雰囲気にちょっと驚く。


「紹介するね。祐樹くん、こちら美桜ちゃん。美桜ちゃん、こちら祐樹くん」

「はじめまして」

「どうも」

なんだかちょっと無愛想な感じだ。



あとは秋斗くんだけ。
約束の18時は過ぎている。

珍しいな。
あの秋斗くんに限って遅刻なんて。
連絡もないし。


私はいいけどこの二人を待たすわけにはいかない。

浜辺さんが気まずいということで呼ばれた我々だが…今日はお互い恋する女の子になって純粋に楽しもうってことになったんだ。

浜辺さんが恋愛のキラキラを思い出せるように。


よし。


「浜辺さん」

浜辺さんの浴衣をちょっと引っ張って耳元でこそっと言う。


「先に2人で行ってきなよ」

「えっむ…無理、きまずいもん」

「大丈夫だよ、私とだってまだ会ったばっかりなのにあんなに話してくれたじゃん」

「それは女の子だから…」

「今日はちゃんと恋人として楽しむんでしょ?だったら問題ないよ。あとで合流しよう。秋斗くん待ってたら時間経っちゃうから」

「……いけるかな」

「いけるよ!そのためにおしゃれしたんでしょ?」

「…わ、わかった」

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