ふたりだけの世界で、本物の愛を。
「こっちに行こう」
翔ちゃんが連れて行ってくれた場所は、七色に光るイルミネーションスポットだった。
偶然にも、今は周りに人っこ1人いない。
「ありがと、千秋」
「えっ……?」
翔ちゃんは怒るどころか、柔らかな笑みを浮かべてお礼を言ってきた。
「怒って、ないの……?」
「怒るって?」
翔ちゃんは、相変わらず柔らかな笑みを浮かべている。
「なんで俺が怒ると思った?」
「何も言わないで、避けて、逃げちゃったから……」
わたしの言葉を聞いた翔ちゃんは、ふふっと静かに笑った。
「千秋の気持ちを聞いたら、分かるって。俺のこと、悪く思われるのが嫌とか。……お前、どんだけ彼氏思いなんだよ」
わたしの気持ち?
彼氏思い?
戸惑っているわたしの顎を、くいっと持ち上げる翔ちゃん。