ふたりだけの世界で、本物の愛を。
「自分が何言われるのはいいけれど、彼氏が悪く言われるのはつらい。そこまで彼女が大事に思ってくれてるって分かって、彼女を愛おしく思わない男なんているか」
「しょ、翔ちゃん……?」
「千秋。自分が何言われるのはいい。その言葉、俺もお前に返す」
わたしの視界に映る翔ちゃんの、二つの目。深い深い瞳だった。
「お前がいくら、俺より年下であろうと関係ないし、そのことで俺が何言われても構わない。俺の願いは、一つだけだ」
引き締まった、薄い唇から耳に心地よい低音ボイスが溢れ出る。
「このまま、お前は俺を愛し続けてくれればいい」
そのまま、翔ちゃんはわたしにキスをした。
この、とろけるような柔らかいキス。
これだけでも、わたしは分かった。
彼が贈ってくれた愛が、本物だということを。
わたしも、同じようにキスをする。
輝く七色のイルミネーション、わたし達はふたりだけの世界で、本物の愛の気持ちを交換した。