ふたりだけの世界で、本物の愛を。

わたしの前にはオムレツとホットミルクティー、翔ちゃんの前にミートソースパスタとブラックコーヒーが置かれた。

今日は、お母さんも帰りが遅いからここで夜ご飯を食べることにしたけれど、何時に帰ってくるんだろう。



「千秋。最近どうなの? 学校」



くるくるくるっと、フォークにパスタを絡めながら翔ちゃんが聞いてきた。



「んー? 変わらないかなぁ……。あーでも、期末試験の準備をしないといけないから、ちょっと大変なんだ。翔ちゃんは、大学どうなの?」



「俺? 就活もほとんどみんな終わってるし、あとは卒業単位だけだな」



「翔ちゃん、4月から社会人だもんね」



「卒業単位をちゃんと取ってればの話だけどな」



「翔ちゃんは大丈夫だよ、絶対」



なぜだか、翔ちゃんは卒業単位を取れるか不安そうな言い方をする時があるけれど、理由は考えても全然分からない。

翔ちゃんは、勉強が好きな方で、高校だって地元で1番の進学校に通っていたくらい。

だから、翔ちゃんにもっと自信を持ってほしいという気持ちもあるけれど、今の謙虚さも大好きなわたしは何も言うことができなくて、そんな自分がちょっぴり嫌いになる。



「あちちちちっ」




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