望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
「何着か候補を決めたんですけど、どれにしますか?」

明日香とクローゼットに行き、候補になった三着のワンピースを確認する。

ハニーイエローと、コーラルピンク、ターコイズブルーの、どれも光沢がある華やかなものだ。

「……どれもちょっと派手すぎないかな?」

デザインも素材も素晴らしいのは分かるが、美紅が着るには華やか過ぎるような気がする。

今まで選んだことがない色だ。

「そんなことないですよ。どれも美紅さんによく似合う色だから。むしろこれくらい華やかな格好をした方がいいんですよ。次期総帥の愛され妻なんですから」

「あ、愛され妻って……」

気恥ずかしくなるワードにまた頬を染めてしまう。

(いちいち顔が赤くなるくせをなんとかしなくちゃ)

「事実ですよ。さ、どれにします?」

「うーん……それじゃあ、ブルーの服にしようかな」

一番露出度が低いデザインのものにする。明日香は顔を輝かせた。

「美紅さんセンスがいい! このワンピースが一番体のラインが出て、かっこよく見えてお勧めだったんですよ」

「えっ、体のライン? やっぱり他のものに変えていい?」
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