望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
「重くないか?」

 史輝が美紅の頬にキスをしながら、心配そうな声を出す。

「大丈夫。こうしてたいの」

 彼の重みと温もりを感じるのは心地よい。ずっとこうしてくっついていたいくらい。

「そんなに可愛いことを言うと手加減してやれなくなるぞ?」

 史輝が嬉しそうに囁きながら、肌を撫でるようにキスを続ける。

 頬から少しずつ下りていき、彼の唇が首筋に触れる。

 快感と期待で体が震えた。

「手加減しなくていいから」

 史輝の目に喜びが浮かぶ。

「その言葉、取り消せないぞ」

「うん……大丈夫」

 積極的な発言をするのはまだ恥ずかしいけれど、それ以上に彼に抱かれたい。

「愛してる」

 熱の籠った言葉の直後、深く唇を塞がれた。

 その夜は心ゆくまで抱き合った。
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