望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
「それじゃあ、行ってくるね」
「はい。ここで待ってますから」
義父が暮らすのは史輝と美紅が生活してる東棟とは真反対の西棟だ。
美紅は一度も立ち入ったことがない。義父の部屋がどこにあるかも知らないため、川田に案内して貰う。
「旦那様は応接間にいらっしゃいます。令華様もご一緒です」
川田は気遣うように美紅を見た。心配してくれているのだろう。
「分かりました。案内してくれてありがとうございます」
川田にお礼を言い、小さく深呼吸してから応接室のドアをノックする。
「お義父様、美紅です」
「入りなさい」
低い声が返って来た。美紅は強い緊張感を覚えながらドアを押し開いた。
部屋の中央の大きな応接セットに向かい合う形で、義父と令華が座っていた。
「急に呼び出してすまないね」
義父は思っていたよりもずっと柔らかな口調で、美紅にも座るように勧めた。
「はい」
頷いたものの、どこに座っていいか迷ってしまう。
空いているのは義父と令華の隣だが、どちらに行くのも同じくらい躊躇いがある。
「令華の隣に座りなさい」
見かねた義父に指示されたため、言われた通りに座ると、義父が改まったように切り出した。
「はい。ここで待ってますから」
義父が暮らすのは史輝と美紅が生活してる東棟とは真反対の西棟だ。
美紅は一度も立ち入ったことがない。義父の部屋がどこにあるかも知らないため、川田に案内して貰う。
「旦那様は応接間にいらっしゃいます。令華様もご一緒です」
川田は気遣うように美紅を見た。心配してくれているのだろう。
「分かりました。案内してくれてありがとうございます」
川田にお礼を言い、小さく深呼吸してから応接室のドアをノックする。
「お義父様、美紅です」
「入りなさい」
低い声が返って来た。美紅は強い緊張感を覚えながらドアを押し開いた。
部屋の中央の大きな応接セットに向かい合う形で、義父と令華が座っていた。
「急に呼び出してすまないね」
義父は思っていたよりもずっと柔らかな口調で、美紅にも座るように勧めた。
「はい」
頷いたものの、どこに座っていいか迷ってしまう。
空いているのは義父と令華の隣だが、どちらに行くのも同じくらい躊躇いがある。
「令華の隣に座りなさい」
見かねた義父に指示されたため、言われた通りに座ると、義父が改まったように切り出した。