望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
「お兄様! もっとしっかり美紅に問い質してください。これは内輪で済ませられる問題ではないのですよ!」
苛立った声だった。義父の反応が想定外なのかもしれない。
義父は困ったように曖昧に笑った。
「それは分かってる。だが美紅さんは事実ではないと言っているのだから、調べないとならないだろう」
「調べるって何をですか?」
「本当に不貞行為があったのかをだ。京極の調査機関に調べさせる。それが一番公平だ。しっかりした客観的証拠があれば、誰も文句は言えないだろう?」
淡々と語る義父に、令華が眉を吊り上げる。
「お兄様は、私が嘘を言っていると言うのですか? 私はたったひとりの妹なのに?」
「令華を疑っている訳ではないよ。嫁いだ今でも君は私の妹だ」
「ええ、もちろんそうです」
令華がほっとしたように、体の力を抜くのが伝わってくる。
「だが美紅さんも私の身内だ。息子の妻なのだからね。だから彼女の意見を聞くのは当然だ」
「……私と美紅が同列だとでも言うのですか?」
令華が信じられないといったように義父を見る。
こんなに動揺を露わにする令華を見るのは初めてで、美紅は内心驚愕していた。
「史輝はともかく美紅はお兄様と血の繋がりがないではないですか!」
ヒステリックに叫ぶ令華に、義父の表情ががらりと変わった。
とても冷めた冷たいものに変わっていく様を、美紅は呼吸を忘れてしまうほどの驚愕で見つめる。
苛立った声だった。義父の反応が想定外なのかもしれない。
義父は困ったように曖昧に笑った。
「それは分かってる。だが美紅さんは事実ではないと言っているのだから、調べないとならないだろう」
「調べるって何をですか?」
「本当に不貞行為があったのかをだ。京極の調査機関に調べさせる。それが一番公平だ。しっかりした客観的証拠があれば、誰も文句は言えないだろう?」
淡々と語る義父に、令華が眉を吊り上げる。
「お兄様は、私が嘘を言っていると言うのですか? 私はたったひとりの妹なのに?」
「令華を疑っている訳ではないよ。嫁いだ今でも君は私の妹だ」
「ええ、もちろんそうです」
令華がほっとしたように、体の力を抜くのが伝わってくる。
「だが美紅さんも私の身内だ。息子の妻なのだからね。だから彼女の意見を聞くのは当然だ」
「……私と美紅が同列だとでも言うのですか?」
令華が信じられないといったように義父を見る。
こんなに動揺を露わにする令華を見るのは初めてで、美紅は内心驚愕していた。
「史輝はともかく美紅はお兄様と血の繋がりがないではないですか!」
ヒステリックに叫ぶ令華に、義父の表情ががらりと変わった。
とても冷めた冷たいものに変わっていく様を、美紅は呼吸を忘れてしまうほどの驚愕で見つめる。