望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
六章 真実
義父が美紅の不倫疑惑についての調査を宣言してから、三日後。

 美紅は再び、義父から呼び出されて、先日と同じ応接室に向かった。

 部屋には義父の他に、令華と百合華。それから美紅が面識のない五十才前後の男性がいた。

「遅くなり申し訳ありません」

「時間通りだよ。美紅さんが来たのではじめよう」

 義父は前置きなしに、本題を切り出した。

 美紅は緊張感を覚えたが、背筋をピンと伸ばして、結果を待つ。

(大丈夫。私は真実しか言っていないのだから)

 嘘を吐いているのは令華と百合華だ。ここで疑惑が晴れるのだから、美紅は喜んでもいいくらいだ。

 ただ気になるのが、令華と百合華が余裕の表情でいることだ。

 嘘がばれてしまうというのに、堂々としていて不安を感じている気配がない。

(どうして……)

 ふたりの態度の理由は不明だが気にかかる。

 そんな中、義父の側に控えていた男性が口を開いた。
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