望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
「旦那様の指示により、京極美紅様の素行調査を致しました。結果を申し上げます」
どうやら彼は調査員だったようだ。京極グループにはそのような担当部署があると聞いていた。かなり優秀な組織らしいから、きっと真実を話してくれるはず。
美紅は目を閉じて言葉を待つ。
「美紅様が、史輝様以外の男性と密会していたという証言がありました」
(えっ?)
美紅はぱちりと目を開き、唖然とした気持ちで男性を見た。
(どうして? 証言なんてある訳がないのに)
「まあ、どんな証言なのかしら」
令華が上機嫌で男性に問いかける。
「史輝さんとの結婚前から、複数の男性との深い付き合いがあったと、証言があります。場所は驚くことに笛吹家の敷地内とのことでした」
「ち、違います! その証言は出鱈目です。私は絶対にそんなことはしていません」
「美紅、見苦しいわよ、黙りなさい」
令華が煩わしそうに眉を顰める。
けれど黙るわけにはいかなかった。
「令華伯母様だってご存じのはずです。結婚前の私は、誰かとこっそり会う時間なんてありませんでした」
令華と百合華に常にこき使われていた美紅の自由時間なんてほんの僅かだった。
給料だってまともに貰っていない。
どう考えても、そんな時間はなかった。誰が調べたって明らかだ。
それなのに証拠が挙がっているということは、偽の証言をした人がいるからだ。
その笛吹家の人間は、令華の言いなりだから、偽の証言をして関係のない人を騙すくらいするかもしれない。
(笛吹家内の出来事なんて、関係者以外分からないんだもの)
どうやら彼は調査員だったようだ。京極グループにはそのような担当部署があると聞いていた。かなり優秀な組織らしいから、きっと真実を話してくれるはず。
美紅は目を閉じて言葉を待つ。
「美紅様が、史輝様以外の男性と密会していたという証言がありました」
(えっ?)
美紅はぱちりと目を開き、唖然とした気持ちで男性を見た。
(どうして? 証言なんてある訳がないのに)
「まあ、どんな証言なのかしら」
令華が上機嫌で男性に問いかける。
「史輝さんとの結婚前から、複数の男性との深い付き合いがあったと、証言があります。場所は驚くことに笛吹家の敷地内とのことでした」
「ち、違います! その証言は出鱈目です。私は絶対にそんなことはしていません」
「美紅、見苦しいわよ、黙りなさい」
令華が煩わしそうに眉を顰める。
けれど黙るわけにはいかなかった。
「令華伯母様だってご存じのはずです。結婚前の私は、誰かとこっそり会う時間なんてありませんでした」
令華と百合華に常にこき使われていた美紅の自由時間なんてほんの僅かだった。
給料だってまともに貰っていない。
どう考えても、そんな時間はなかった。誰が調べたって明らかだ。
それなのに証拠が挙がっているということは、偽の証言をした人がいるからだ。
その笛吹家の人間は、令華の言いなりだから、偽の証言をして関係のない人を騙すくらいするかもしれない。
(笛吹家内の出来事なんて、関係者以外分からないんだもの)