望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
会社の件だけでなく、個人的にも史輝は令華に対して、強い怒りを抱いている。
彼女は学生だった史輝の進路に過剰に干渉し、父を言葉巧みに操り、思い通りにしてきた。
史輝の感情など一切考慮せず、ただ自分の都合がよいように全てを決めようとする傲慢さは許しがたかったが、当時、まだ令華に反抗するだけの力を持っていなかった史輝は、不服でも従うしかなかった。
決して表には出さないけれど、心の奥の憎しみは決して消えない。
口では“叔母様”と呼んでいるけれど、心の中では他人以下だと思っている。
今の史輝は、令華に対抗するだけの力を手に入れつつある。
あとは、父が令華に味方をしないように、慎重に動き、これまでの横暴を突きつけ消えて貰えばいい。
「金銭面でだらしないのも問題なんだよな。本家にも個人的に借金してるって聞いたけど」
宗吾が躊躇いがちに言った。
「よく知っているな。だが借金とは言えない。父は貸したのではなく、贈与したつもりだろうから」
「総帥がついているのが大問題なんだよなあ……しかも史輝が笛吹家の令嬢と結婚したから、ますますあの人たちの天下が続きそうだよ」
彼女は学生だった史輝の進路に過剰に干渉し、父を言葉巧みに操り、思い通りにしてきた。
史輝の感情など一切考慮せず、ただ自分の都合がよいように全てを決めようとする傲慢さは許しがたかったが、当時、まだ令華に反抗するだけの力を持っていなかった史輝は、不服でも従うしかなかった。
決して表には出さないけれど、心の奥の憎しみは決して消えない。
口では“叔母様”と呼んでいるけれど、心の中では他人以下だと思っている。
今の史輝は、令華に対抗するだけの力を手に入れつつある。
あとは、父が令華に味方をしないように、慎重に動き、これまでの横暴を突きつけ消えて貰えばいい。
「金銭面でだらしないのも問題なんだよな。本家にも個人的に借金してるって聞いたけど」
宗吾が躊躇いがちに言った。
「よく知っているな。だが借金とは言えない。父は貸したのではなく、贈与したつもりだろうから」
「総帥がついているのが大問題なんだよなあ……しかも史輝が笛吹家の令嬢と結婚したから、ますますあの人たちの天下が続きそうだよ」