望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
美紅は笛吹家を出て独り立ちすることを望んでいたようだが、学費の一括返却を求められたため、返し終わるまでは笛吹家で働くことを受け入れたと言う。
私立校の学費はかなり高額だ。返済するまで何年もかかる。
姪に対しての仕打ちとは到底思えないが、令華に意見する者はいないから、美紅はほぼ無休で酷使されていた。
「史輝が相手である必要はなかっただろ? 誰か信頼出来る男と見合いでもさせたらよかったんだ。本家が仲人役を引き受けたら、笛吹夫人だって表立って反対は出来なかったはずだ」
「……そうだな」
宗吾の言うことは間違っていない。きっと彼の案が正しかったのだろう。
「そうだなって……何考えてるんだよ」
「他の男に任せたくなかった」
「は?……おい、それって……」
史輝の言葉に、宗吾が驚愕の表情を浮かべる。
「まさかお前、美紅さんが好きだったのか?」
信じられないといった問いかけに、史輝は眉を顰めた。
「嘘だろ? 女嫌いの史輝が? お前が近付いてきた女を残酷に振っている姿を、俺は何度見たっていうのに……」
「残酷に振った覚えはないし、女が嫌いと言った覚えもない」
私立校の学費はかなり高額だ。返済するまで何年もかかる。
姪に対しての仕打ちとは到底思えないが、令華に意見する者はいないから、美紅はほぼ無休で酷使されていた。
「史輝が相手である必要はなかっただろ? 誰か信頼出来る男と見合いでもさせたらよかったんだ。本家が仲人役を引き受けたら、笛吹夫人だって表立って反対は出来なかったはずだ」
「……そうだな」
宗吾の言うことは間違っていない。きっと彼の案が正しかったのだろう。
「そうだなって……何考えてるんだよ」
「他の男に任せたくなかった」
「は?……おい、それって……」
史輝の言葉に、宗吾が驚愕の表情を浮かべる。
「まさかお前、美紅さんが好きだったのか?」
信じられないといった問いかけに、史輝は眉を顰めた。
「嘘だろ? 女嫌いの史輝が? お前が近付いてきた女を残酷に振っている姿を、俺は何度見たっていうのに……」
「残酷に振った覚えはないし、女が嫌いと言った覚えもない」