望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
初めは穏便に済ませていた兄だが、嫌がらせが過激になっていくと危機感を覚え、令華を笛吹家に半ば強引に嫁がせた。

しかし笛吹家でも令華はトラブルを起こした。

我儘放題に振舞い、他人を傷つけた。そんな令華に注意をしたのが笛吹家の令嬢だった美紅の母だ。

令華の行動が間違っていると正面から指摘し、反省を促した。令華が聞き入れるはずがなく、笛吹家ではかなりの大事になったそうだが、どうやって解決したのかを知っているのは当人たちだけだ。

気付いたときには美紅の母は笛吹家を出て、行方不明になっていた。

数年後、生まれたばかりの美紅を抱いて戻って来たが、笛吹家の屋敷に住むことはなく、アパートで美紅とふたり慎ましく暮らしていたそうだ。

極力笛吹家とは関わらないようにしていたが、親友だった史輝の母とだけは定期的に会っていた。

そのおかげで史輝と美紅は出会えたのだけれど。

令華が美紅を虐げるのは、気に入らない女性の娘だから。それだけのことだ。

下らないと思うが、令華にとってはどうしても許せない存在なのだろう。
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