望まれない花嫁に愛満ちる初恋婚~財閥御曹司は想い続けた令嬢をもう離さない~
ふたりで真剣に検討した結果、アイボリーのイレギュラーヘムスカートと、アプリコットのサマーニットに決めた。

美紅はシルバーよりもゴールドが似合うので、派手になり過ぎない輝きのネックレスとイヤリングを選ぶ。

そうしている内に、史輝から午後六時に迎えを寄越すとの連絡が入った。

「場所は品川だって、食事をするのかな?」

「時間的にそうかもしれないですね。食事ならどんな店でも選んだ服で問題ないですね。あとはメイクとヘアアレンジをしましょう!」

実際よりも二倍くらい華やかな美人に見えるメイクをして貰い、髪の毛はロングスカートとのバランスを考慮してふわりとしたまとめ髪にして貰った。

二日前に有名ヘアサロンでオーナー自らカットと手入れをして貰った髪は、艶やかで手触りもよく、明日香がアレンジしやすいと言っていた。

姿見の前に移る美紅は、幸せそうな令嬢だった。笛吹家で使用人として働いていた頃が嘘のようだ。

「……明日香さん、本当にありがとう」

綺麗にしてくれたことだけでなく、様々な想いを込めて言う。

「いえいえ、デート楽しんで来てくださいね!」

笑顔の明日香に見送られて、美紅は迎えの車に乗りこんだ。

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