ねぇ、嘘じゃないよ
「いっただっきまーす!」
「いただきます」
「いただきます!」
目の前に置かれたご馳走に私は目を輝かせた。
「私の好物だっ…!!」
トマト煮込みハンバーグ。
私が小さい頃から大好き!
あっ、私が好きなコーンスープとトマトとブロッコリーのマヨネーズ和えも!
美味しそうっ…!!
「美恵さんありがとう!」
美恵さんは栄養士だから、栄養バランスもバッチリ。
ぱくっとサラダを食べる。
もぐもぐもぐ。
サラダを完食すると、ご飯とハンバーグをもぐもぐ。
んまぁ…!!
もぐもぐもぐもぐ。
お箸が止まらないのをみて、愁夜が笑う。
「がっつきずぎだろ」
もぐもぐもぐ。
「仕方ないでしょ、美味しいんだもん」
むすーとなりながら、私は食べ続ける。
「ゆうちゃんは美味しそうに食べてくれるから嬉しいわぁ。愁夜、むすってしながら無言で食べてしまうんだもん」
「反抗期だ!」
愁夜んちにくるのも、最近じゃあまりなくなったな、そう言えば。
仕事と勉強と遊びに追われる毎日で、家に帰ったら自分のことをするしかできるわけない状態だったから。
「ねーね、美恵さんー、泊まりたいー!」
「え!久しぶりに泊っちゃう?」
「泊まる!!いっつも一人で寂しいのぉ、」
「ふふっ、何年ぶりなのかね、もうだいぶ長い間ね…」
少し寂しそうにする美恵さんをみて、目をふせる。
でもパッと顔を上げて、笑った。
「今日泊まるからいいじゃん!!」