ねぇ、嘘じゃないよ
「ふふっ、そうね!」

美恵さんと笑ってると黙って聞いてた愁夜が声を荒らげた。

「おい何急に泊まることになってんだ!」
あれ、愁夜いやみたい。

「久しぶりに!ね?」

「どこで寝るんだよ…」

「そりゃぁね、昔みたいに愁夜の部屋でお布団敷いて…」

ねぇ?そう言い合いながら私と美恵さんはきゃっきゃしてる。

愁夜は大きくため息をついて何かをぼそっと呟いたけれど、まぁいいや。


「まーいーよ。たまには悪くないし、な」

パァッと顔を輝かせてしまう。



そんな様子の私に美恵さんは微笑んだ。

「そう決まればご飯食べちゃってゆうちゃんは服とか取りに行ってらっしゃい!」


はーい、そう元気よく返事を返してご飯を食べ終え、家へと向かう。

と、言っても…隣だけど…。


服と洗面道具とアクセサリーをバッグにつめて、貴重品も入れて、愁夜んちへと戻る。


「お待たせしましたー!」
リビングへと入るとテレビの目の前で愁夜は食べ終えてゲームをしてた。

「あっ!ちょっとまってこれ懐かしい!!私も混ぜて!」

昔よく二人でぎゃーぎゃー言い合ったゲーム。

懐かしいなぁ。


コントローラーをぽいっと渡されて、受け取る。
わざわざ今やってるゲームをやめてくれて、私が入れるように新しいのを始めてくれた。

何年ぶりかにするゲームはへたっぴで、愁夜に教え直されながらやっていく。

手加減してくれるから、まだやりやすくて助かる。
ぶっきらぼうだけれど、とっても優しい、私の幼馴染。


ふふ、好きだなぁ。




…好き?



…何私変なことを。
< 19 / 57 >

この作品をシェア

pagetop