ねぇ、嘘じゃないよ
そう思いながらスキンケアとかいう超めんどくさいものを1分で終わらせて、お風呂場を出る。

「お湯ありがと〜」

髪の毛から流れる雫を気にせずに、タオルで顔をそっと拭く。


「まぁっ…」

美恵さんがじーっと見つめてきたから何だろうと首を傾げると、ふふっと美恵さんは笑った。

あえ?愁夜もなんか顔真っ赤で見てる…。
きも…。


「ねーね、美恵さん、ドライヤー借りていい?」

「あっ、いいわよ!」

トコトコとドライヤーをとりに行ってソファに移動していた愁夜の上に乗っかる。

「んねー愁夜髪乾かしてよー」

「うげっ…わかったよ…」

いとも迷惑そうな顔だけれどいいと言ってくれたからよし。
さらさらと髪を乾かしてくれる間にSNSをチェック。

「ちょっお前、通知ためすぎ…」
あー今日も100000越えか…。

ポチッと一度通知ボタンを押したら全部消えてくれる。なんと楽だ。

『みんな今日もよく頑張った!おやすみー!』


そんな投稿をいろんなアプリを自分の写真付きで投稿してると、おっ、と愁夜が覗き込んでくる。

「俺映ってるじゃん」


あっ、愁夜が隅に映ってる。

「ヘンな顔」

おかしくて笑ってしまうと、愁夜が唇をむすっと尖らせる。


「なんだよ、俺かっこいいだろ!」

そんな自意識過剰なんだから変な顔になるんだよ、そう心の中で冗談めいて呟く。


「はいはい、かっこいーですね」

まだ少し湿っている段階まできた髪の毛をバサバサしている愁夜の左手と、ドライヤーを持つ愁夜の右手。
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