ねぇ、嘘じゃないよ
「おいっ、ゆう。起きろ。ゆう。ゆう!」
「んーー…」
遠くに聞こえる誰かの声にハッとおきる。
「ほら、歯磨きして。そんなとこで寝ると冷えるぞ」
はい、と差し出された歯ブラシをぼーっとした頭のまま受け取る。
私、勉強してて…眠っちゃったのか…。
「俺は今寝る準備終わらせたとこだけど…宿題ちゃんと終わってんのか?」
ふと机に目をやると、完璧に終わらせた課題が広げられていた。
「ふぁんふぉふぉふぁっふぇふふぃふぁいふぁふぇ」
ちゃんと終わってるみたいだね、そう言おうとしたけど歯磨きをしているからか言葉になっていない。
そんな子供みたいな私のことを、愁夜は見守っていて何だか恥ずかしい。
本当にお前ってやつは、そんな親みたいな顔してそう思ってるんだろうな。
子供ですみませんねぇ。
そしたら何も言ってないのに、二人して笑ってしまった。
とてとてと二人で洗面所に向かって、うがいをして、髪をとかして、愁夜を追い出してパジャマという名のネグリジェをきて、愁夜の寝室に戻った。
どすっと愁夜のベッドにダイブするとおいっ!と愁夜も入り込んできた。
あーだこーだ言って結局愁夜はもういいベッドで寝ろ!と布団を敷いて早々と寝てしまう。
「えー…私がお布団寝るつもりだったのに…」
ツンツンしても起きないので仕方なくベッドに潜り込んで寝ることにきーめた。