ねぇ、嘘じゃないよ
「ゆう、起きろー」
眠いまぶたを開くと、目の前に愁夜の顔があってびっくりする。
「うぎゃっ」
死んでる寝起きボイスが恥ずかしくなるももうそんなの気にしない。
「ゲームするんだろ?」
ゲーム機を片手にニヤっと愁夜は笑ってた。
!!
ゲーム!
「ゲームしーよっと」
あっ。
「先に始めないでよ!!」
コントローラーを取ってゲームに入る。
時刻は朝6時だから、あと30分くらいはできそうだなぁ。
そんな呑気なこと考えてると、すっかり30分すぎて、美恵さんが部屋に入ってきた。
「こらっ、なんで朝からゲームなんかしてるの」
呆れも混じったそんな声に、むすーと2人しながらもゲームの電源を切った。
んー…。
昨日の夢、へんだったなあ…。
私好きな人なんかおらんのに、ふふっ。
馬鹿げてる。
そう思って、笑ってしまった。
愁夜がきょとんとしたから、説明してあげた。
「昨日、変な夢見たの」
「誰か、誰かわかんない、大切な人がね、眠ってる私にいうの。好きだ、好きだ、ゆう、って。おでこにキスされて。私も、その人のこと好きみたいで。抱きしめたくて夢の中の夢から覚めると、その人は、いなくなってて。ごめん、ゆうって、聞こえてから、何にもわかんなくなっちゃって、ずっと泣いてた」