ねぇ、嘘じゃないよ
愁夜も、結婚するのかな。すごく綺麗で優しくて、家庭的な人、そんなイメージ。

私っていう幼馴染は嫌われてしまうのかも。でも、愁夜を離れることなんてできるのかな。



わがままを言うのなら、ずっと、ずっと。

今のままがいい。



…なんで、こう思うのかな?






そんなこと思いながら、ブレザーを羽織った。
















「…ゆうゆう、それ、愁夜くんのことすきってことだよ」

あかりんになら言えるかもしれない。
そう思って、夢のことも、私の気持ちも、話してみたら。


「…は?」




意味のわからないことを言ってきて、思わず声を上げた。





「だからぁ、好き。そろそろゆうゆうも自覚しなきゃねぇ」


もう、可愛いんだから、当たり前のようにそういうあかりんをじっと見つめた。




「私が、あんなやつのこと、好きな訳ないでしょ。あかりんも知ってるのに、あの時のこと」






あかりんは、ずっとそう勘違いしていたの?



だって。

あかりんはずっとそばにいてくれたから。


わかってるはずなのに。



あの時、私がひどく、ひどく、ひどく。

傷ついたことくらい。




「ゆうゆう」

目を逸らしてしまう自分が嫌いだ。
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