ねぇ、嘘じゃないよ
「ゆうゆうが、愁夜くんを見る目は、その周りを纏いつく女の子を見る目は、恋する子そのものの目なんだよ」

やっぱりみたいと、目を見ようとするけど、逸らされて合わない。



「ゆうゆうは、すごいよ」

「私も、恋してた」

「でも、私も、ウソ告されて、諦めた」

「二度とあんなやつ、好きになんないって」

「だから、ゆうゆうはすごい」

「ゆうゆう、否定しちゃダメだよ」

「ゆうゆうの気持ちは、ゆうゆうの気持ちだから」


初めて聞いたあかりんの過去も気持ちも、あまりにも、辛そうだったから。

…好き。


あかりんも、その気持ちが怖くて怖くて仕方ないんだ、そう思って。

そしたら私のことなんて、幸せでしかない、そう思った。




好き。




隠したくて隠したくて。

目をそらし続けてたけど、もうそれもできないのかな。



「ね、ゆうゆう。酷いこと言ってるけど…でも、私ゆうゆうが傷ついてるのやだ。だから、今すぐにとは言わないけれど…気づけるといいな、って…」



うん、と小さく頷く。


黙って少し考えて私は、結論を出した。




「うん、私、愁夜が好き。四年前の時からも、ずっと、好き」


お嫁さんは、誰になるんだろう。

綺麗で優しくて、家庭的な人。


嫌なほど嫉妬するんだろう。




でも、私の愁夜だと、叫びたくなっても。

私の愁夜ではないから。



かなわないなぁ、そう、小さく笑った。
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