ねぇ、嘘じゃないよ
それに応えるように、愁夜はつぶやいた。



「っ、なぁ、俺。自惚れていいんかな」

…へ?

自惚れ?





「ゆうが、俺のことすきだって…思っていいんかな」

はぁーっと座り込む私の幼馴染を見て、私も、自惚れたくなってしまう。



「私も、愁夜が、私のことすきだって、思って、いいのかな、?」

そうだって信じたいよ。



だって、そうじゃなきゃ、自惚れって、言わない、でしょう?



「あーーー…こんな時もカッコつかねーけど」


前髪を掻き上げて、私をじっと見つめる、いやなほどかっこいい、私の幼馴染。



「ゆう、すきだ」

「すきだ、あいしてる」




…ほんとに、?





「嘘じゃ、ない、?」


「嘘じゃねーよ、なんでそうなるんだ」


「だって、愁夜、昔…」




疑いもあるし、怖いけど、でも、やっぱり、流れるこの涙は、嬉しさからだ。


でも、もう、愁夜は、ウソ告なんかしないよね、?


こんなに、余裕が、ないのは、演技じゃないよね、?



わかんないよ。わかんないけど、でも、信じたいよ…。


「昔、愁夜が、ウソ告したから、」

覚えてるのかな?

四年前のあのこと。


ウソ告なんだよね?


私聞いちゃったもん。
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