ねぇ、嘘じゃないよ
大好き!
泣きそうになる愁夜が目の奥に焼きつく。
私、私。
どんな勘違いを、していたの?
すきだったのに。
いちばん、すきなのに。
勘違いして。
自分から崩していって。
ばかだ、私。
でも、どっちも、バカだなぁ。
罰ゲームなんてきっかけがないまで自分で告白できなかった意気地なしやろうの愁夜も。
確認もろくにせずに決めつけてた私も。
バカでバカで、少しだけ、笑ってしまう。
でも、真実を知った私たちを止められるものは、そんなことなんでもなくて。
幼くて、言葉足らずの、何年もの、恋。
その恋が、今、実ろうとしてる。
だから、それで。
それだけでいいじゃない、そう、気楽に思えた。
だって、私と、愁夜は、幼馴染。
それに、敵うものは何もないのだから。
だから、あの夢の、続きを、しよう。
幼馴染。お互いの考えてることが、大体わかる。なんてチートだろう、そうふふっと微笑んで、目をそっと瞑った。
嬉し涙が流れる頰をそっと拭って愁夜は、唇と唇を重ねた。