ねぇ、嘘じゃないよ
「宮沢（あかりん）も人前で十分いちゃついてるくせにな」

ジト目でその人を見つめてから愁夜は私の頭を撫でてくれた。



ウソ告されたことで恋愛も男の子も苦手になってたみたいだから、あかりんが幸せそうで本当に良かったなぁ…。



中学3年生。



正門を通り抜けると、いっぱいの友達に笑って手を振られて。

階段を登ると、「ゆう先輩と愁夜先輩！おはようございます！」と後輩に笑顔で挨拶をされて。

廊下を歩くと彼氏さんと手を振ってから教室へ歩くあかりんを見かけて。

教室に着くとみんなから冷やかされて。

席に着いたらあかりんが駆け寄ってきて、恋人との惚気話を広げられて。

先生が来たと思ったら部屋に鉢が入ってきてみんな大騒ぎしちゃって。

落ち着いて授業が始まったら、愁夜と目があって。

す、き、だ、そう口パクされて。ふふっと笑って。





卒業も、もう直ぐだなぁ。

この高校を卒業したら、いろんなものが待ってる。



大学生になったら、新しい環境になる。

大学生になっても、愁夜はモテるんだろうな。嫉妬、しちゃうんだろうな。

みんな恋愛に必死になってるのに私たちだけ幸せでヘイトが来ちゃうかも。

多分、モデルと女優はまだ続けてる。遊びも勉強もどっちも、たくさんやって、充実する。
< 50 / 57 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop