Runaway Love
あたしは、野口くんの頬を両手で引き寄せ、自分から口づけ、そして、舌を絡めると、彼が応えてくれるのを辛抱強く待つ。
すると、徐々に反応があり、あたしは強く抱き寄せられた。
「――茉奈さん」
「――……やっぱり……聞かなくて良いわ……」
それ以上は、言葉が出なかった。
野口くんは、上書きするように同じ所に強く吸いつき、更にあたしの服を引き下げ、胸元にもいくつもいくつも花を咲かせる。
そして、顔を上げると、あたしをきつく――力の限り、抱きしめる。
「――……今だけは……オレのものに、なってください」
辛そうに口にされた、その言葉に、あたしはうなづいた。
上がりそうになる声を、両手で押さえて必死でこらえると、真上から、野口くんは、その手を外す。
「抑えないでください――」
「で、もっ……」
ベッドの上で、あたしは、繋がった彼にしがみつく。
自分の中心を抉られているような感覚。与えられる快楽に、頭が、身体が追いつかない。
涙目になりながら、呼吸が荒くなる。
「茉奈さん――」
「……んっ……あっ!」
野口くんの動きに、すぐに反応してしまい、声が上がる。
うっすらと見える彼は、その声を塞ぐように口づけてくるが、その分、距離は縮まり更に感じてしまう。
「――声、聞きたいですけど……恥ずかしいですか……?」
あたしは、その問いかけに、必死でうなづく。
もう、頭の中は真っ白になりそうだ。
野口くんは、少しだけ目を伏せると、口元を上げた。
「……すみません。意地悪します」
「――えっ……」
聞こえてきた言葉よりも先に、動きは激しさを増して、あたしの嬌声は部屋中に響く。
そして、何度も繰り返された波が引いていき、意識が朦朧とした頃、野口くんは、ゆっくりとあたしから離れた。
うつらうつらとしながらも、どうにか呼吸を整えていると、隣に横になった野口くんは、あたしの乱れていた髪をそっと撫でた。
「――……大丈夫、ですか」
その問いかけには、うなづくだけにする。
思った以上に激しい動きに、正直、体力が持っていかれてしまった。
もう、今はこのまま眠ってしまいたいくらいだ。
けれど、野口くんは、あたしを抱き寄せると軽く口づける。
密着したお互いの肌は、まだ体温が上がったままだ。
「……このまま、泊まっていきませんか」
「――……でも……明日、仕事だし……」
「送りますよ。オレ、明日まで休みですから」
あたしは、その申し出に、自分の身体の状態を考えて、うなづく。
今は、いろんな場所がだるいし、動きたくないのが本音だ。
「……じゃあ……お願い」
「――ハイ」
野口くんはうなづくと、そのまま、あたしを抱き込む。
耳元に届く彼の鼓動は、少し速い。
「――……茉奈さん、話してください」
「え?」
あたしが顔を上げると、彼のキレイな顔には、うっすらと汗が浮かんでいて、思わず見とれる。
けれど、すぐに思考を戻して聞き返した。
「――……話す……?」
「……ちゃんと、聞きます。……別れ話だとしても」
その言葉に、目を見開く。
野口くんは、自嘲するように笑った。
「――……すみませんでした。……あなたを困らせたくなかったのに……ガキみたいな駄々こねて――……」
あたしは、首を振る。
「ううん……悪いのは、あたしだから……」
そっと、彼の胸に顔をうずめる。
――傷つけたくないのは、本心だ。
「……あたし、ね……」
――でも、いずれ、こうなるとわかっていて、選んだのは自分だ。
――最初から、自分を守るために、野口くんを利用したのだから――傷つけたくない、なんて、傲慢だ。
「茉奈さん」
浮かんできた涙を、野口くんはそっと、その長い指で拭う。
あたしは、されるがまま、目を閉じた。
その、少しだけひんやりとした感触に、彼が緊張しているのがわかった。
すると、徐々に反応があり、あたしは強く抱き寄せられた。
「――茉奈さん」
「――……やっぱり……聞かなくて良いわ……」
それ以上は、言葉が出なかった。
野口くんは、上書きするように同じ所に強く吸いつき、更にあたしの服を引き下げ、胸元にもいくつもいくつも花を咲かせる。
そして、顔を上げると、あたしをきつく――力の限り、抱きしめる。
「――……今だけは……オレのものに、なってください」
辛そうに口にされた、その言葉に、あたしはうなづいた。
上がりそうになる声を、両手で押さえて必死でこらえると、真上から、野口くんは、その手を外す。
「抑えないでください――」
「で、もっ……」
ベッドの上で、あたしは、繋がった彼にしがみつく。
自分の中心を抉られているような感覚。与えられる快楽に、頭が、身体が追いつかない。
涙目になりながら、呼吸が荒くなる。
「茉奈さん――」
「……んっ……あっ!」
野口くんの動きに、すぐに反応してしまい、声が上がる。
うっすらと見える彼は、その声を塞ぐように口づけてくるが、その分、距離は縮まり更に感じてしまう。
「――声、聞きたいですけど……恥ずかしいですか……?」
あたしは、その問いかけに、必死でうなづく。
もう、頭の中は真っ白になりそうだ。
野口くんは、少しだけ目を伏せると、口元を上げた。
「……すみません。意地悪します」
「――えっ……」
聞こえてきた言葉よりも先に、動きは激しさを増して、あたしの嬌声は部屋中に響く。
そして、何度も繰り返された波が引いていき、意識が朦朧とした頃、野口くんは、ゆっくりとあたしから離れた。
うつらうつらとしながらも、どうにか呼吸を整えていると、隣に横になった野口くんは、あたしの乱れていた髪をそっと撫でた。
「――……大丈夫、ですか」
その問いかけには、うなづくだけにする。
思った以上に激しい動きに、正直、体力が持っていかれてしまった。
もう、今はこのまま眠ってしまいたいくらいだ。
けれど、野口くんは、あたしを抱き寄せると軽く口づける。
密着したお互いの肌は、まだ体温が上がったままだ。
「……このまま、泊まっていきませんか」
「――……でも……明日、仕事だし……」
「送りますよ。オレ、明日まで休みですから」
あたしは、その申し出に、自分の身体の状態を考えて、うなづく。
今は、いろんな場所がだるいし、動きたくないのが本音だ。
「……じゃあ……お願い」
「――ハイ」
野口くんはうなづくと、そのまま、あたしを抱き込む。
耳元に届く彼の鼓動は、少し速い。
「――……茉奈さん、話してください」
「え?」
あたしが顔を上げると、彼のキレイな顔には、うっすらと汗が浮かんでいて、思わず見とれる。
けれど、すぐに思考を戻して聞き返した。
「――……話す……?」
「……ちゃんと、聞きます。……別れ話だとしても」
その言葉に、目を見開く。
野口くんは、自嘲するように笑った。
「――……すみませんでした。……あなたを困らせたくなかったのに……ガキみたいな駄々こねて――……」
あたしは、首を振る。
「ううん……悪いのは、あたしだから……」
そっと、彼の胸に顔をうずめる。
――傷つけたくないのは、本心だ。
「……あたし、ね……」
――でも、いずれ、こうなるとわかっていて、選んだのは自分だ。
――最初から、自分を守るために、野口くんを利用したのだから――傷つけたくない、なんて、傲慢だ。
「茉奈さん」
浮かんできた涙を、野口くんはそっと、その長い指で拭う。
あたしは、されるがまま、目を閉じた。
その、少しだけひんやりとした感触に、彼が緊張しているのがわかった。