Runaway Love
翌朝、ぼうっとしながら覚醒していく頭をゆるゆると振る。
スマホの時計を見やれば、まだ朝の五時半だ。
やっぱり、生活習慣はちょっとやそっとじゃ変わらないようだ。
あたしは、二度寝をするか悩んだが、そのまま立ち上がった。
貴重な休日を無駄にはできない。
カーテンを少しだけ開ければ、まだ朝なのに、強い日差し。
地元じゃ、もう、弱さを感じ始めるくらいの時期なのに。
それだけで、別の土地なのだと思い知らされ、少しだけさみしく感じた。
そして、支度をすると、朝食を作り始める。
少し考え、あたしは、スマホを持った。
――おはよう。昨日はありがとう。お礼がてら、朝食食べる?
早川に送れば、すぐに返信。
やはり、アイツも起きていたようだ。
――サンキュ。岡のヤツは、まだ寝てる。置いて行っていいか?
そのメッセージに苦笑いが浮かぶ。
昨夜、どんなやり取りがあったのかは、知りたくはない。
――バカ言ってないで、起こしてよ。サンドイッチにして届けるから。
来たばかりの事もあるので、むやみにお互い部屋を出入りできない。
すると、OK、と、返ってきたので、あたしはいつもよりも多めにパンを焼き、あるものでサンドイッチを作った。
そして、二人分をお皿に乗せてラップをかける。
コーヒーくらいは、早川のところにもあるだろう。
部屋を出て、すぐに隣のインターフォンを鳴らす。
『茉奈?』
「サ、サンドイッチ――」
だが、言葉は続かなかった。
「おはようございます、茉奈さん!」
すぐにドアが勢いよく開き、無駄に明るい声が頭に響く。
思わず、片耳をふさいでしまったのは、しょうがないと思ってほしい――。
それから、食べ終えて洗われたお皿を届けに、二人が揃って部屋に来た。
「ごちそうさん」
「ごちそうさまでした!」
あたしは、それを受け取ると、苦笑いで返す。
「――大したものじゃなくて、悪かったわね」
「何言ってんだ、充分すぎる」
「そうですよ!」
二人の言葉にお礼を返すと、今日の予定を尋ねられた。
特に考えてはいないのだけれど、二人と行動を共にする勇気は、さすがに無い。
「オレ、昼の新幹線で帰らないとなんで、それまでデートしません?」
「実質、二、三時間だろ」
「それくらい、いいじゃないですか!早川さんは、ずっと、こっちにいられるんですから」
「わ、わかったから、ちょっと大人しくなりなさい、アンタ!」
にらむように早川を見上げる岡くんを、あたしは慌ててなだめる。
こんなところで、また、騒ぎを起こされたら、今度こそ、自主退職ではなくてクビだ。
「茉奈」
「に……二、三時間くらいなら、良いから」
「ありがとうございます!」
渋る早川に、苦笑いで返す。
岡くんは、張り切って、帰り支度を始めると言い、早川の部屋に戻って行った。
早川はその場で、それを見送ると、あたしを振り返った。
スマホの時計を見やれば、まだ朝の五時半だ。
やっぱり、生活習慣はちょっとやそっとじゃ変わらないようだ。
あたしは、二度寝をするか悩んだが、そのまま立ち上がった。
貴重な休日を無駄にはできない。
カーテンを少しだけ開ければ、まだ朝なのに、強い日差し。
地元じゃ、もう、弱さを感じ始めるくらいの時期なのに。
それだけで、別の土地なのだと思い知らされ、少しだけさみしく感じた。
そして、支度をすると、朝食を作り始める。
少し考え、あたしは、スマホを持った。
――おはよう。昨日はありがとう。お礼がてら、朝食食べる?
早川に送れば、すぐに返信。
やはり、アイツも起きていたようだ。
――サンキュ。岡のヤツは、まだ寝てる。置いて行っていいか?
そのメッセージに苦笑いが浮かぶ。
昨夜、どんなやり取りがあったのかは、知りたくはない。
――バカ言ってないで、起こしてよ。サンドイッチにして届けるから。
来たばかりの事もあるので、むやみにお互い部屋を出入りできない。
すると、OK、と、返ってきたので、あたしはいつもよりも多めにパンを焼き、あるものでサンドイッチを作った。
そして、二人分をお皿に乗せてラップをかける。
コーヒーくらいは、早川のところにもあるだろう。
部屋を出て、すぐに隣のインターフォンを鳴らす。
『茉奈?』
「サ、サンドイッチ――」
だが、言葉は続かなかった。
「おはようございます、茉奈さん!」
すぐにドアが勢いよく開き、無駄に明るい声が頭に響く。
思わず、片耳をふさいでしまったのは、しょうがないと思ってほしい――。
それから、食べ終えて洗われたお皿を届けに、二人が揃って部屋に来た。
「ごちそうさん」
「ごちそうさまでした!」
あたしは、それを受け取ると、苦笑いで返す。
「――大したものじゃなくて、悪かったわね」
「何言ってんだ、充分すぎる」
「そうですよ!」
二人の言葉にお礼を返すと、今日の予定を尋ねられた。
特に考えてはいないのだけれど、二人と行動を共にする勇気は、さすがに無い。
「オレ、昼の新幹線で帰らないとなんで、それまでデートしません?」
「実質、二、三時間だろ」
「それくらい、いいじゃないですか!早川さんは、ずっと、こっちにいられるんですから」
「わ、わかったから、ちょっと大人しくなりなさい、アンタ!」
にらむように早川を見上げる岡くんを、あたしは慌ててなだめる。
こんなところで、また、騒ぎを起こされたら、今度こそ、自主退職ではなくてクビだ。
「茉奈」
「に……二、三時間くらいなら、良いから」
「ありがとうございます!」
渋る早川に、苦笑いで返す。
岡くんは、張り切って、帰り支度を始めると言い、早川の部屋に戻って行った。
早川はその場で、それを見送ると、あたしを振り返った。