幸先輩が甘く迫ってくるのですが。
そこで、私は思った。
あの顔面パーフェクトな幸先輩の噂は本当なのだろうか、と。
まぁ、本当だったとしても嘘だったとしても、私には何一つ関係の無いこと。
幸先輩のことを知ったところで、だからなに?って言われちゃったらおしまいだ。
それでも…やっぱり、気になるの。
こうなった私は誰にも止められない。
だから、近々幸先輩の実態調査をしてみようかと思っているところ。
幸先輩が一人になるところを狙って、話しかけてみようかなぁって。
「ひなみお待たせ〜…って、どうしたの?ぼーっとしちゃって」
そこに、私の親友である清水 怜美が職員室から戻ってきた。
今はちょうどお昼休みで、職員室に用がある怜美を待ちながら廊下でいつもの人間観察をしていたとこ。
「う、ううんっ…!な、なんでもないよ?」
怜美に幸先輩のことを言うのはやめておく。
前にこの話をしたら「絶対やめなよ??」と釘を刺されたからね。
「…ひなみって、嘘つくの下手だよね。今更だけど」
「嘘じゃないよ!本当になんにもないもん!」
「ハイハイ、そういうことにしとこうか」