りつとるね
「……もしかして、小3のころの帰り道?」
「いや、思い出さなくていい」
律が焦ったように、被せ気味に言う。
「でも、なんか、硬かっただけで……」
「だ、か、ら、思い出すなっ!」
ひょっとして、キスしようとしたけど直前で可笑しくなって笑っちゃったから、歯が当たった?
「歯が――」
「うっせーな、俺の黒歴史を思い出すな。忘れろ!」
薄暗がりで見えないけど、バツの悪そうな顔の律はぜったい赤いはずだ。
だったら、からかってやろう。
「ちょっと、乙女のファーストキスを奪っといて、忘れろ!はないでしょ。どうしてくれるのよ。取り返しがつかなーー」
「いや、思い出さなくていい」
律が焦ったように、被せ気味に言う。
「でも、なんか、硬かっただけで……」
「だ、か、ら、思い出すなっ!」
ひょっとして、キスしようとしたけど直前で可笑しくなって笑っちゃったから、歯が当たった?
「歯が――」
「うっせーな、俺の黒歴史を思い出すな。忘れろ!」
薄暗がりで見えないけど、バツの悪そうな顔の律はぜったい赤いはずだ。
だったら、からかってやろう。
「ちょっと、乙女のファーストキスを奪っといて、忘れろ!はないでしょ。どうしてくれるのよ。取り返しがつかなーー」