夏に咲く君に、きっと恋する【完】
そんな多種多様な彼ら、群衆とは、決して交わることがない。私は今、生まれ育った田舎の町でひっそりと暮らしている。
夏になれば、暑さを凌ぐような高い建物も無く、風鈴の音で気を休めることしかできない。それでも私はこの町を気に入っている。この町には見つけきれないほどの、たくさんの風情が潜んでいる。
だが、今年はそれにしても暑い。毎年お盆になると遊びに来る孫の凛、りんも気が滅入って足が遠のいてしまうほどの暑さだ。まだ十二歳だから、この歳でおばあちゃんに会いたくないなんて言われてしまうと困る。そんな不安もあったが、結局今年も遊びに来てくれている。
私が毎年用意しているスイカを彼女は頬張りながら、涼し気な名前に似つかわしくない気だるげな顔をしているが、これも全て暑さのせいにしてしまえばいい。
夏になれば、暑さを凌ぐような高い建物も無く、風鈴の音で気を休めることしかできない。それでも私はこの町を気に入っている。この町には見つけきれないほどの、たくさんの風情が潜んでいる。
だが、今年はそれにしても暑い。毎年お盆になると遊びに来る孫の凛、りんも気が滅入って足が遠のいてしまうほどの暑さだ。まだ十二歳だから、この歳でおばあちゃんに会いたくないなんて言われてしまうと困る。そんな不安もあったが、結局今年も遊びに来てくれている。
私が毎年用意しているスイカを彼女は頬張りながら、涼し気な名前に似つかわしくない気だるげな顔をしているが、これも全て暑さのせいにしてしまえばいい。